花綴り

モミジアオイ

夏から秋にかけて紅い花を咲かせるモミジアオイ。
フヨウやムクゲと同じアオイ科フヨウ属で、やはり一日花です。
こちらも次々に咲いてくれるので、花が変わってもずっと咲いてくれている印象になりますね。
モミジアオイの名前の由来は、花が紅葉のような赤色で、葉が掌状に大きく分かれている様子から名付けられました。
別名は、紅蜀葵(こうしょっき)と言います。
私はこの呼び方の方を使います。

花弁の根元は細くなっていて、花びら同士がくっつくことはありません。
花柱は、真っ直ぐ長く伸びていて、先の方(花柱の中央より上部)に花粉袋が付いています。
この形は、同じアオイ科のハイビスカスとそっくりですね。
咲いている姿は堂々と風格があり、特徴的な赤の色とその見栄えで、絵の題材にも広く好まれています。

N-53 『紅蜀葵』

左の作品は、1990年に木の花ばかりを集めて描いた「花盛り・木の花」と呼んでいるシリーズの1点です。
夏の強い陽射しの中で咲いている姿をとても美しく表現できている図案だと思います。

N-2 『9月』

右の作品は、1978年に描かれて以来ずっと親しまれている、白い百日紅、紅蜀葵、紫紺野牡丹を組み合わせた初秋の図案です。掛け軸のように縦長いこの絵柄は、日本的な作品と感じられるのか、外国の方にもファンが多いのが嬉しいです。

紅蜀葵だけの図案は夏を感じさせ、紫紺野牡丹が入ると秋の景色になるところが不思議です。

一覧に戻る
© 2019 株式会社植木紅匠