花綴り

花の刺繍画展 作品のご紹介④

植木刺繍創始者である植木良枝の展示作品

潮来から

植木良枝40代の代表作4点「一枝に(牡丹)」、「潮来から(花菖蒲)」、「秋深く(白菊)」、「寒の中(藪椿)」の花菖蒲。

庭の風景を刺繍した30代、植木刺繍を芸術作品に高めた40代、空想の世界をデザインし刺繍した50代以降と良枝の作風は広がっていきました。身近な存在だった刺繍が、「花の刺繍画」と命名され変化、成長していく中で、日本の著名な美術評論家や、イギリス、フランス、ドイツ、アメリカの美術館から関心を寄せられ、一気に手芸を超えて芸術作品と称されるようになった記念の作品。各国での海外展は美術品として扱われています。

大きな花びらのグラデーションや筋など、息をのむほどにしっかりと刺繍されています。

 

リージェント・パーク 薔薇満開

約襖2枚の大きさなので、その迫力に驚いて頂けるのではないかと思います。

リージェント・パークの薔薇園の大きな1枚の刺繍図案ですが、主たる薔薇の様子と、折々に咲いている他のお花が3パートに分かれて描かれています。

良枝が夫と一緒に行った時に満開だったフクシアとポプラ、息子と行った時にスケッチした大きな木、娘と行った時に咲いていたデルフィニュームやアガパンサス。

家族4人で行けたことはないけれど、それぞれが良枝に付き合って過ごした時間を、刺繍の図案の中に描き込み、時間を超えて家族が揃ったという物語のある作品。

主体の薔薇は太めの5番糸を使用しダイナミックに、3パートは25番糸で繊細に仕上げています。

ゴージャスな薔薇との対比をお楽しみ下さいませ。

 

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