花綴り

啓翁桜 (けいおうざくら)

暮れに硬い硬い小さなつぼみがついた枝がたくさん入ったボックスを頂戴しました。啓翁桜です。
啓翁桜はここ最近、お正月用として多く見かけるようになった、冬を彩る可愛い桜です。
自然ですとやはり3月下旬ぐらいに咲くそうですが、促成栽培によって冬期に開花するのです。
99年の冬に初めて頂戴して知り、それ以来すっかりファンです。

枝の時は、咲くのかしらと心配になるほど硬そうな茶色いつぼみですが、大きな壺に生けると驚くほど水を吸い上げ、日に日に膨らんでいきます。
ある程度膨らむと、一つのつぼみが3つに割れてきて、それぞれの頭にピンク色が見えてきます。
ピンク色が見えてくると咲くまで後ちょっと。
花茎が十分伸びてくると先に花が開きます。

『啓翁桜 Ⅱ』

かなり花が咲くと、新しい芽を出してきます。
葉っぱも出てきます。
伐られて箱詰めされて車に乗って運ばれてきたにもかかわらず、元気に咲いて葉っぱも出てくる・・・
その生命力に感動します。

『啓翁桜 Ⅳ』

生ける花瓶や壷は、クリスタルのように光を通すものではなく、
光を通さない土物が良いと思います。
そうすると、枝の根元を暗くしておくと、小さなひげのような根っこが生えてきます。
そうすれば挿し木もできます。
今年は、頑張ってみようと思っています。

『啓翁桜 Ⅱ』は、午前のデッサンから生まれた作品で、『啓翁桜 Ⅳ』は、午後のデッサンから描かれた作品です。
画面上でおわかり頂けるかどうかわかりませんが、午前の方が花色が淡く、午後になると色が濃くなる印象です。

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