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花綴り(バックナンバー) 2011「9〜10月号」


花綴り2010 5〜6月号
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薄紫の花 A 〜ハナトラノオ〜 (2011年10月29日)
  花綴り   ハナトラノオは、シソ科の植物で、
花穂を虎の尻尾に見立てて名付けられ、
花虎ノ尾と書きます。
別名は、茎が四角いから、
カクトラノオ(角虎ノ尾)。
寒さにも強い丈夫な花なので、
一度植えると根が張り増えていくので、
広い場所に群生させると映えます。

  花綴り
 

花綴り

 

この作品は、デフォルメした図案で、
少ないステッチで出来ますので、
初心者の方にもオススメです。
親しみやすいヒャクニチソウとハナトラノオ。
白い額に入れて飾れば、
小さいのに華やかで明るい作品です。


G−9 『百日草』

 

薄紫の花 @ 〜ギボウシ〜 (2011年10月22日)
  花綴り  

キボウシはアジア原産で、夕方につぼんでしまう一日花です。
ユリ科の植物で、少し湿り気のあるようなところでグングン育ち、可愛い筒状の薄紫の花を咲かせます。
結構いろいろなところに植えられているのですが、花が目立たないのか見過ごされることが多いようです。

 

つぼみが、手すりや橋の欄干などの柱の頭に付けられる頂のとがったねぎの花のような飾り、擬宝珠(ぎぼし・ぎぼうしゅ)に似ていることから、命名されました。
イギリスでは、いろいろな形や色があるという理由で、花よりも葉っぱの方が人気でガーデニングによく使われます。

  花綴り

 

花綴り

 

この作品は、第1カリキュラムで
35年以上使っている図案で、
これを制作する頃には
かなり上達しているので
楽しく刺繍できるようです。
残念ながら、ここでもギボウシが主役・・・
というわけではありませんね。

今度、ギボウシがメインの図案を
描いてみましょうか。

I−6 『霧ヶ峰 V』

 

シコンノボタン (2011年10月13日)
  花綴り  

夏の終りから冬まで次々に花を咲かせる
シコンノボタン。漢字では「紫紺野牡丹」。
紫紺の牡丹(シコン・ノ・ボタン)ではなく、
紫紺野牡丹(シコン・ノボタン)。
発音を間違えると紫紺色の牡丹と
なってしまうので、お話しする時は
気をつけています。

 

ブラジル原産の花で、しべが長くてクネクネ
している様子が蜘蛛の足のようだということで
「ブラジリアン・スパイダー・フラワー」。
ビロードのような鮮やかな青紫の花は、
1日花ですが、比較的丈夫で花つきもよく、
次々に大輪を咲かせて、花の少ない秋から
冬の庭を彩ってくれます。


  花綴り
 

花綴り

 

この図案は、ある刺繍雑誌の表紙を飾った
6種類の花の一つです。
他に比べて地味に見えるのではないかと
思っていましたが、その反響は大きくて、
驚くとともにとても嬉しく思った作品です。
秋は、実のものや落葉をテーマにすることが
多いからか、花を飾りたいという方々の希望に
ピタッとはまったようでした。

男性ファンの多い、洋間にも和室にも
飾りやすい作品です。

J−26 『のぼたん』

 

キンモクセイ (2011年10月5日)
    東側の生垣のキンモクセイが一斉に咲き出して道行く人に香りを届けています。
  花綴り  
   夕方いつもわいわいがやがや話しながら帰る子供たちが、「あ、いい匂い」と口々に言って
   立ち止まり「これは何の花?」と聞いてきました。「キンモクセイって言うのよ」と教えると、
   次の日は「キンモクセイっていい匂いね〜」と話しかけてきました。
   それからの数日、立ち止まっては観察しているようで、よく陽の当たる上方の花から咲くので、
   初めは見上げていましたが、子供の視線の高さのつぼみも開いてきて、
   真近で見ることができて嬉しそう。
   女の子達が枝をそっと引っ張って花の匂いを楽しんでいるのが微笑ましいです。
  花綴り
  花綴り
 

漢字では「金木犀」で、このオレンジ系木犀
(モクセイ)を「丹桂」ともいい、その香りとともに
日本で最も知られている木犀です。
木犀は他に、白い「銀木犀(ギンモクセイ)」、
淡い黄色の「薄黄木犀(ウスギモクセイ)」があり、
それぞれ「銀桂」「金桂」といいます。

普段は、生垣としてしか見ていないけれど、
オレンジ色の小さな小さな花が群れて咲いて
香りでアピールし始めると急に愛しくなります。
そして、つぼみが開くに連れて強くなるこの香りのプレゼントから、本格的な秋の到来を思います。

  花綴り  

トレニア (2011年9月26日)
 

花綴り

 

この花の名前を知ったのは、
図案になってからでした。
1987年文化出版局から刊行された
「続花刺繍3 秋冬の花」に掲載された
「庭の秋」の中に、コスモスと鶏頭と
この花が入っていて、そういえば、
毎年、庭の一部に紫色の小さな花が
咲いていたと気が付きました。

   1年草ですが、毎年こぼれ種で咲いていくし、暑さにも非常に強い花です。
   ですから、特段、植えたり手入れをした記憶がなくても咲き続けてくれました。
   花付きの良い年は、こんもりとした緑の中の紫が、
   小さいけれど私達も頑張って咲いていますよとアピールしているようでした。
 

珍しい花形をしていて、紅色や黄色もありますが、濃い紫と淡い紫、紫に白の組み合わせのものが最もポピュラーと思います。
葉っぱは先のとがった卵型、
丸っこくて愛らしいです。

 

花綴り


  この作品に添えられた文章は、 「けいとうが急に目立ち始め、あちこちにトレニアが
  丸っこい紫花を開く。コスモスは茎が不恰好に育って、少しかさ高い感じ。
  庭のこの組み合わせを見ると、とうとう秋が来たと思ったものだった。毎年勝手に位置取りが変わって面白かったたくましい一年草たち。最近東京では、ひとり生えの草花の多いこんな庭が、だんだん少なくなってしまっている。」


         B−1001 『庭の秋』
  花綴り  

  花綴り   2年後に描かれたこちらの作品は、
まさしく思い出の庭そのもの。
秋になると飾りたくなります。
でも本当は、こんなにお行儀良く
並んでいなかったかも?


M−16 『葉げいとうとトレニア』

花の色が似ていることからナツスミレという別名を持ち、和名は「花瓜草(ハナウリグサ)」といいます。


ツユクサ (2011年9月18日)
 

7月くらいから秋にかけて、独特の青い花びらを見せてくれるツユクサ。
漢字では「露草」と書きます。

  花綴り
  花綴り  

早朝に咲いて昼にはしぼむ命の短さは
露のよう・・・ということで、露草。
他に、色に由来して「アオバナ」、
丸い苞の形を帽子や蛍に見立てて
「ボウシバナ」とか「蛍草(ホタルグサ)」、
古くは「ツキクサ」とも呼ばれていて、
万葉集などでは「月草(ツキクサ)」として
詠まれています。



  小さくて目立たなさそうな野の花ですが、この目の覚めるような青色ゆえに目を引きます。
  わかりやすい野の花、身近な野の花としてお好きな方も多く、教室でも安定した人気です。
  他の花と組み合わさっている図案なども幾つかありますが、
  個人的には露草の図案はこれが一番のお勧めです。
  花綴り   まとまって咲いているのが、一つ一つの花は短命なのに、次々に咲くことでその存在を示しているこの花の特徴が出ている気がするからです。
地の色に淡いグレーを使っていますが、若草色やベージュ色の布地でも、花が引き立ち清清しい感じがします。

花の形も特徴的ですし、青い花は少ないので、お手元に飾ってみませんか?

B−112 ゆ 『つゆくさ』
 

サルビア (2011年9月6日)
 

夏から秋に鮮やかな緋色で楽しませてくれるサルビア。シソ科で次から次と長く咲くので花壇に最適です。学校の花壇にも多く用いられ、子供の頃から身近な花の一つと思います。

 

花綴り

  花全体は、茎の先が穂となったもので、筒状の萼から長い花筒を持つ唇花が出ています。
花の中から小さな花が出ているように見えますね。
 
  花綴り
 B−221 『サルビア』
   小学4年生の時、この唇花を引き抜いて
   根元の蜜をなめると美味しいというのが広まって、
   友人3人と、庭のサルビアの唇花を全部抜いて
   蜜を吸ってしまったことがありました。
 
     いつもニコニコ顔の祖父が
   「かわいそうなことをして」と
   悲しい顔をしていたので、
   叱られるよりずっと心に重く
   残っています。
花綴り  
  先日、一緒に蜜を吸った友人の一人と出会って立ち話をしている横にサルビアが咲いていて、この話になり、サルビアは私達にとってチョッピリ苦いエピソードになっていることがわかりました。  


   緋色、赤が最もポピュラーかもしれませんが、紫もピンクも白も素敵です。
   紫がたくさん植わっていると、どっしりと落ち着いた感じがします。
   この作品は、赤と紫の組み合わせで、写真で見るよりも明るく迫力ある作品です。
  花綴り   一つの種類の花を刺していると飽きるのではないかと聞かれることがありますが、同じように見えて、一つ一つ違う表情を持っているので、飽きることなど全くなく、刺し方でこんなにも違う印象になるのかと、感動することさえあります。
夏から秋へと長く飾れる作品です。
どうぞお試しあれ。

M−20 『花壇 サルビア』