赤い小振りなアジサイかしらと間違いそうな「サンタンカ」、漢字は「山丹花」と書きます。 和名は「イクソラ」といい、こちらで親しんでいる方も多いかもしれません。 中国からマレーシアが原産のエキゾチックな花ですが、日本には江戸中期、琉球を通して入ってきたと言われています。当時は、三段花(サンダンカ)と呼ばれていました。
お部屋にもその感じを持ち込みたいと生まれた木々や葉っぱをモティーフとした作品があります。 その中でも人気の高いのが「ベロニカの木」と「オックスフォードの木」。そして、「セントラル・パークの青葉」シリーズ。
「ベロニカの木」の「ベロニカ」は木の種類ではなくて、イギリス人の友人の名前です。 この図案のモデルは、そのベロニカさんの住まいの前にある公園の大きな楓です。 木全体は太い撚りのかかった5番糸でざっくりと刺して風が通る雰囲気を表現します。 前のモティーフは、25番糸でしっかり存在感を出すように刺繍することで、 メリハリのある力強い作品が出来上がります。 作品から風や葉のさわさわした音が感じられたら大成功です。 P−40 『ベロニカの木』
B−911 『オックスフォードの木』
「セントラル・パークの青葉」シリーズからは、 この1点。トゲトゲした特徴ある葉の形が気に入っています。時にはお花がない図案も新鮮で良いと思っています。 J−38 『セントラル・パークの青葉 W』
心が落ち着くラベンダーの香り。 地中海沿岸が原産のハーブの一種で、 シソ科の植物です。 語源は、ラテン語のlavareから来る属名lavanduraで、 洗うという意味です。
ラベンダーの2つの小作品、これがプレゼントに使いやすい優れものです。
私がこの作品たちを差し上げる時は、ラベンダーのポプリやオイルを額の裏に付けておいて、作品の箱を開けるとふわっと香るようにしています。 快眠に誘う効果や心が落ち着く要素もあるそうなので、ベットルームや鏡台、洗面所などに飾って頂けますようにと書き添えます。 刺繍の花なのに香りが感じられて嬉しいと、皆様、本当に喜んで下さいます。 J−32 『ラベンダー二輪』
以前に住んでいたイギリスでも好まれていて、自分でポプリを作るからと 友人達の庭にも必ず植えられていました。 P−36 『ストレフォード・ハウス』
ラベンダーの紫をアクセントにした庭の花をまとめた小振りのブーケ。ゲストルームに飾られたこの花束のことを「心に飛び込んでくるようで嬉しかった」と植木良枝 花の刺繍画集「花の旅T」に書いています。 P−35 『ジュリアンのおもてなし』
子供の頃、山へドライブに連れて行ってもらうと、 夏の濃いグリーンの木々の中に、ぼわ〜っと薄紅色の花が浮かぶように咲いているのが気になって、母から「あれはネムノキよ」と教えられました。 車でパァ〜っと通り過ぎてしまうので良く見られないことをとても残念に思っていました。 そして、自生しているのをしっかり見る機会があったのは成人してからだったような気がします。森林の中に咲いていると妖精が羽を開いているようで印象的です。
名前の由来は、夜になると羽状の葉っぱが閉じて合わさっている状態が、まるで寝ているようなので「眠りの木(ネムリノキ)」が変化して「ネムノキ」。 漢字では「合歓木」と書きます。葉が閉じると寄り添った二人のように見えることから「合歓」、共に寄り添う幸せという素敵なネーミングです。 英語では花の方に重点が置かれて「シルク・フラワー」と呼ばれています。
シンガポールに住んでいた時、大きなネムノキがあって、4階の窓から花を眺めていると涼しげな感じがしました。この作品は、それを思い出させてくれます。 花(雄しべ)は針足の長い1本どりのアウトラインステッチとストレートステッチで繊細に仕上げて下さい。
マメ科の落葉高木。花が終わると、大きな鞘がぶら下がり、マメ科と納得できます。
どうしても外せない夏野菜であるトウモロコシ、 世界中で栽培され、言わずと知れた世界三大穀物の一つで、子供から大人まで多くの方に愛されています。 茹でても焼いても揚げても美味しくて (最近は、生食用もあるようです)、 ポップコーンなどのお菓子、コーンスターチや 食用サラダオイル、家畜の餌から、 注目のバイオエタノール等など、用途もいろいろ、 万能選手です。
植物ですから、実がなるということは花が咲くということ、ではどんな花なのかと言いますと、こちらになります。 とうもろこし畑で撮らせて頂きました。 てっぺんが雄花で、 房状の糸が雌花で、実は頂上ではなくて茎の途中につきます。
この本が出た時、花を中心とした刺繍の中では珍しい図案だと思っていましたが、なるほど実もなっているけれども花も咲いているのだと感心したことを覚えています。 ちょっぴり風変わりな図案ということで、大ヒットはありませんけれども、目に留めた方は可愛い、面白いと、手掛けて下さいます。 B−522 『とうもろこし』
日本には、ポルトガル人によって持ち込まれ、玉蜀黍(とうもろこし)と書きます。 他に、南蛮黍(なんばんきび)、唐黍(とうきび)という呼び名もあります。
黄色の薔薇の入った花束を頂戴しました。 薔薇は、花の中の女王様とも言える、 どなたでもご存知のお花ですね。
1867年にフランスの育種家が人工的に掛け合わせ四季咲きの大輪の薔薇「ラ・フランス」を作りました。新しい花姿「ハイブリッド・ティーローズ」という新しいグループの始まりです。これ以降、作り出された薔薇を「モダン・ローズ」として、それまでの薔薇「オールド・ローズ」と区別されるようになりました。 私達が、現在、薔薇と思い描く花の形は、ほとんどが「モダン・ローズ」と思われます。 一季咲きと四季咲きがありますが、主に「オールド・ローズ」は一季咲きで「モダン・ローズ」は四季咲きが多いです。
薔薇の作品は、どのお色の図案でも飾り勝手が良いので人気があります。 季節を問わず飾れるお花であること、そして黄色の場合は金運を呼ぶ色ということで、 お玄関に飾ることを目的として刺繍される方が多いようです。
黄色の薔薇で一番お奨めはこの作品。 大輪とつぼみがバランス良く入っていて 明るい雰囲気が気に入っています。 壁にかけても棚において飾っても パワーをくれる一品だと自負しております。 H−60 『薔薇四題 T』
こちらは、かすみそうと組み合わせたブーケ風。 紺地の布色が花を浮き立たせてくれるので、 存在感タップリ。難しい花形であるにもかかわらず 刺繍しやすいのが特徴です。 35年前に描かれて以来ずっと安定した人気を 保っている図案です。 J−4 『バラと霞草(黄)』
1日講習会でも1年を通して人気の作品。 刺繍する順番さえきちんと理解すれば、 初心者の方でも上手く仕上がる自慢の図案です。 こちらの作品は、薔薇の色をお好きな色に 変更することができます。 ピンクや赤、白、オレンジも可愛いです。
Q−53 『薔薇一枝』
ハート型で、造花のような光沢のあるアンスリウム。 花は、黄色く突き出している芯のように見える肉穂花序(にくすいかじょ)で、ハート型の部分は仏炎苞(ぶつえんほう)です。 サトイモ科アンスリウム属の多年草で、赤や緑、ピンク、白などがあります。
アンスリウムとは、ギリシャ語で「花」と「尻尾」という意味で、英語では「テール・フラワー」。どちらもニョキッとしている花から命名されています。 和名は、苞を見立てて「紅団扇」。日本に入ってきたのは明治に入ってからです。
この図案は、30年ほど前に描かれたもので、 私はどのお花もそれまで馴染みがなかったもので、 強烈なインパクトがありました。 当時としては、非常に大きな作品でしたので、 刺繍糸は太めの5番糸でザックリと刺して、 熱帯の花の強さと個性を引き出すようにしました。 30年という月日が経っても、 とてもお洒落で素敵な図案だと人気があります。 N−60 『熱帯の花』
こちらは、ヴェルツブルグの中央市場の花市に行った時のスケッチから生まれた図案です。 写真は、図案用の水彩画ですが、刺繍すると華やかで心楽しい作品に仕上がります。 ここでもアンスリウムは存在感ありますね。 L−24 『ベルツブルグ 花市』
光沢のある細長い葉と、小花を放射状に次々に咲かせていくこの花は、チョッピリ君子蘭に似ているから、和名を「紫君子蘭(ムラサキクンシラン)」と言いますが、君子蘭とは全く違う種類ですし、その呼び名を使われることも現在はほとんどないと思われます。 ユリ科アガパンサス属の総称で、花が開くタイプと、閉じた感じでやや下向きに咲く種類があります。別名は「アフリカンリリー」。
日本には、明治の頃に入って来て、 洋風なイメージにもかかわらず、 生け花にも使われていたと知った時は、 意外な感じがしました。 モダンな花材ですよね。 ギリシャ語の「アガペ(愛)」と「アンサス(花)」を合わせてアガパンサス、 「愛の花」・・・本当に素敵な名前ですね。
イギリスでは比較的簡単に栽培できるとして人気です。 ロンドンのリージェント・パークにもたくさん植えられていて、 花の姿が清々しいと、図案に取り入れました。 紫、青紫、白などがありますが、 こちらが最もポピュラーと思っています。 『リージェント・パーク 薔薇満開』(部分)
可愛らしい花とすっきり伸びた茎を 丁寧にサテンステッチで刺し、 そして特徴ある葉っぱを、 アウトラインステッチで埋めていくと、 本当に魅力的な作品が出来上がります。 暑い夏にブルー系の花を見ていると、 少し涼しい気がしませんか?