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生の花は美しく儚い。それをスケッチして図案にし、刺繍で糸の花に変身させる。手間と時間のいっぱい詰まった糸の花々は、生の花と一味違った可愛らしさ、温かさを持った新しい姿に生まれ変わる。 この作業を「花の刺繍画」と名づけて、その楽しさを長年提唱し続けています。 |
| 例えば、野のすみれを自然のままに華奢に縫い上げる、大輪の牡丹を心ゆくまで観察しながら豪華さを出そうと試みる、庭の染井吉野の老木が満開を過ぎて惜し気なく花弁を散らす有様を黒地の絹に再現する、また旅先で印象深かった花景色を額に収めて思い出を楽しむ等々、花の刺繍画の世界は無限に広がっていきます。 |
刺繍といえば、先ず、衣服や生活小物の装飾と思われがちですが、一針一針手縫いした縫い上がりそのものを覗き込むように眺めると、絵画同様に見る面白さがあります。糸の種類や刺繍独特のテクニックで糸の重なりは平面よりほんの少し立体的に膨らみ、光線の具合で色が変化して複雑に見える思いがけない効果もあります。 |
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| 何もかも光と電気の速度の今日、人間の手の早さでしか進まない手刺繍は、むしろ心安らぐ貴重な楽しみではないでしょうか。花と手仕事を共にお好きな方に、数ある図案の中からお好きなものを選んで、難しいスケッチ等にこだわらず、感性豊かな糸の花をお創りいただきたいものです。 |
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